その知らせは唐突に公式から告げらた
「LEGEND − S − 洗礼の儀 − 」についてのご報告とお詫び

私は少し思考が停止した状態でゆっくりと文章を読んでいきようやく理解することができた
『由結ちゃんは大丈夫なのか?』
ライブはどうなるんだとか そんなことよりまずは彼女の様態が気になった
私は日本武道館からBABYMETALを追いかけて早4年が経過しようとしている
その中で3人が体調不良で休むことは一度もなかった
ただこれは勝手に私自身が思っていることで実際のところは分からない
ひょっとしたら体調が悪い中でもステージに立っていたのかもしれない
その中での今回のYUIMETALのライブの見送り
そしてYUIMETAL不在でもライブを決行することを表明したチームBABYMETAL
公式の発表から数十分後にナタリーや色んな媒体がYUIMETAL不在のことを発表し違和感を感じた
確かに文面には昨日今日体調を崩したとは書かれていない
各媒体もこのことを取り上げている様子を見ると恐らく広島入りする何日前からすでに体調は悪かったんじゃないか?と頭の中を駆け巡った
今回は普段のライブと重要度が違う

この記事を目にした方も多いことだろう
中元すず香がどんな想いでこの日を待っていたことか
それはアクターズスクール広島から応援していた人達も同じことだろう
広島から世界に羽ばたいた中元すず香が戻ってくる
広島県民のファンの方からしても悲願とも言える公演だろう
恐らくアミューズ的にも引けない公演
SU-METALの凱旋ライブであり二十歳を迎える彼女のバースディライブでもある
この条件でライブを行えるのは今回のみ
SU-METALとMOAMETALもKOBAから言われたことだろう
二人でもやってくれないかと
そこで2人が出した答えは...
YUIMETALの為にも
そして広島まで駆けつけてくれるファンの為にも
小さい頃から応援してくれている地元のファンの為にも
神バンドそしてスタッフさん達と共に広島公演を成功させること
これらしかないだろう
私は誓った
ちゃんと目をそらさず2人の姿をこの目に焼き付けようと
そしていつもと同じようにライブを楽しもう
それが3人に対して唯一自分ができることだと思ったからだ
三種の神器を受け取りさっそく着用しそのままクロークへ
着ていたパーカーもカバンにぶちこみ完全なライブ仕様へ

会場近くにいる知り合いと挨拶をしたり話していたりすると日はすでに落ち
気づけば時刻は開場時刻の17:30
だが一向に入場する動きが見られない

10分過ぎ20分過ぎ30分を経過しても列が動こうとしない
列が動き出したのは18時を過ぎてからだった
認証の機械がトラブルを起こしたのか
または土壇場でセトリを変更したりすず香 最愛の意思の最終確認を行っているのか
それともやはり不安に刈られステージに立つのが怖くなりGOサインをなかなか出せなかったのか
真相は関係者にしか分からない
ただこれだけ待たされているのに誰一人としてイライラしたりTwitterで愚痴をこぼす人はいなかった
それだけみんなは理解をしていたんだろう
水野由結そして中元すず香と菊地最愛の覚悟を
この夜は月がとても綺麗だったな...

こんなにも月が美しい時に責任を抱えながら一人の悩める少女がいると思うと正直辛いものがある
中に入ったメイト達がステージの様子をTwitterに上げ私も我慢できずに見てしまったが...
凄い!
この一言しか出てこなかった
2013年 幕張のイベントホールでのマリア像

2015年 横浜アリーナ公演の三体のキツネのピラミッドを越える迫力

早く自分も中に入り自分の目で見てみたい
今回は3100番台での入場
ようやく認証近くまで来ることができた


東京ドームの時と同じようにここで自分のブロックが分かる仕組みだ
私が引き当てたのはSU-METALのS!

素晴らしい...
興奮を必死に抑えいざSブロックへ
上手側は前のブロックからH→S→N
ちなみにブロックのアルファベットには意味があり
CHOSEN
そう...挑戦
これを知ったときは鳥肌が立った

私は前から2番目のブロックだった
目の前には目を疑うような壮大なステージが...

そして中央には花道
後ろには先程Twitterで見た狼のようなキツネの顔が6体あるステージ
下にはレールが引かれていたのでムービングステージだとすぐに気づいた

BABYMETALのステージ構成は基本的にエンドステージかセンターステージのみ
それ以外は2015年のさいたまスーパーアリーナで行われた新春キツネ祭り
その時の本ステージから伸びる花道からのBステージ
この三種類しか今までは組まれていない
アリーナクラスで初めて使うムービングステージをどうゆう風に使うのか
その点も個人的に見所な点であった
客入りのSEはDragonForceやJudas Priest
Bring Me the HorizonとBABYMETALと所縁のあるメタルグループのサウンドが流れ興奮を抑えることはできず体を縦に揺らしながら聴き入っていた
会場全体を見渡していると上手側のスタンドでスタッフさんが関係者らしき人を誘導しているのを発見
髪はボブで綺麗な女性だな~と見ていたらまさかの
MIKIKO先生で思わず声を上げてしまった
あの一角が関係者が固まっているのか...
何故か要らぬ緊張感を感じてしまった笑
時刻も19:30近くになりそろそろ来るか?とずっとソワソワしていた
時は来た
場内が暗転し、モニターに流れる紙芝居
メシアの光り 希望 絶望
凱旋ライブとは思えないマイナスの言葉も出てくるがこれこそがBABYMETALの世界観
常識ではもはやBABYMETALのことは語れないだろう
紙芝居が終わると
後ろの方から悲鳴にも似た歓声が沸き起こる
マントに身を包み杖を持った女性の姿がそこにあった
一斉にバックステージに視線が集まる

SU-METAL
召喚
ゆっくり...ゆっくりと鎖を引きながら我らが女王
SU-METAL様だ
と言わんばかりに我々の目の前を通りすぎていくキツネ兵

それらを従えもうすぐ二十歳になるSU-METALが杖をつきながらゆっくりと我々に存在感を示す
会場内に響く手拍子
この世界観にグイグイ引きずり込まれる観客達
SU-METALが杖を天空に掲げると一寸の火花が中央の天井を駆け抜ける
キツネの第三の目から光が放たれステージ上を眩く照らす
ステージ上には先程のキツネ兵達が太鼓をドンドコドンドコ叩いているではないか
聴き慣れない太鼓のサウンドとドラムのサウンドが会場内を駆け巡る
直感的にこれは新曲なんじゃないかと感じた
バイキングメタル風なサウンドに興奮を隠せないモッシュピット
気づいたら周りのメイト達は手拍子をしながらジャンプをしているではないか
確かにこのサウンドを聴いて大人しくできるわけがない
私も手拍子をしながら跳び跳ねた
SU-METALもそんな我々を煽るように杖を小刻みに床に叩きつけながら
本ステージへ
ステージ上で立ち尽くすSU-METAL
その存在感に会場中のメイト達は圧倒され固唾を飲みながらステージ上のSU-METALに注目する
地元広島の方々にただいまとは言わない
これが私だ
これがBABYMETALのSU-METALだ
そんな無言のメッセージを送っているように見えた
太鼓の音色が収まると会場は漆黒の闇に包まれ異様な雰囲気を漂わせる
次の瞬間予想だにしないことが起きる
ステージ上が一気に眩しく光を放つ
キツネサインで腕をクロスさせるSU-METALの姿が
イジメ、ダメ、ゼッタイ
すかさず神バンドの激しいギターのリフが鳴り響きモッシュピットは大混乱
広がれ!広がれ!
Wall of Deathいくぞ!Wall of Death!!
もっと広がって広がって!!
メイト達で密集していたモッシュピットは一気に広がっていく
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
出だしからピットのボルテージは最高潮
早くもラストなんじゃないかと思うほどの熱気に包まれる
SU-METALの魂の叫び声で
一斉に輪の中に身を投じていくメイト達
今日はSU-METALの凱旋&バースディライブ
普通のグループなら『おめでとう!』『これからもよろしくね!』等のMCが飛び交うことだろう
だが、BABYMETALにそんなものはない
あるのは熱い魂のぶつかり合い
これがベビメタ流の祝い方なのだ
ステージに目を向けるとSU-METAL
そして相方を失ったMOAMETALの姿が
でも不思議と涙は出なかった
幾多の地で気耐え抜かれてきた彼女達からは同情を誘うものは一切なく気迫 覚悟 そして己自信に挑戦する勇ましい姿がそこにあった
いつも以上に頭と腕を激しく振りヘドバンをする
MOAMETAL
YUIMETALの魂を宿しながらステージに立つ
SU-METAL
いつも以上に自分の感情を乗せて歌う姿は荒々しいながらも...綺麗だ...
中盤のバトルシーンでは目に見えないYUIMETALと戦っているんだろうか
または自分自身と戦っているのか
一人で戦うMOAMETALの姿が
そんな姿を目を逸らさずただじっと見つめた
一曲目にしてすでに身体中からは大量の汗が
一時はどうなると思ったが要らぬ心配だった
続くギミチョコではメイト達の粋な計らいが
わたたたたた どっきゅん!
YUIMETALのパートをメイト達がフォロー
これにはステージ上の二人も驚き そして喜びを感じていたことだろう
前方から動いてきたムービングステージは真ん中で止まり会場の視線は一点に集中される
みんな!由結の分まで盛り上げるよ!
そんな風にMOAMETALから言われた気がした
Hey!!HIROSHIMA!!!!
凱旋した姿をこれでもかと見せつけるSU-METAL
そんなSU-METALを祝うようにいつも以上の手拍子の雨が彼女に降り注ぐ
最高な空間だ
少し気になったのがSU-METALの歌い声と神バンド達のサウンドがかなりずれていたこと
イヤモニか何かの故障なのか?
ギミチョコが終わると会場中に響き渡るこの聞き慣れたフレーズ
リンリンリン♪
結成当初から彼女達を支え続けてきた曲
ド・キ・ド・キ☆モーニング
腕をクロスさせ堂々と姿を現したSU-METALとMOAMETAL
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
会場のボルテージも天井知らず
先程までとは比べ物にならない歓声
普通ならここにもう一人いるはずだった
でもいるのは二人のみ
会場のみんなも分かっていたんだろうか
YUIMETALの分まで盛り上げなくちゃいけないとゆうことを
中盤の二人が寝転がる場面ではピット内でもメイト達がバタバタと倒れ混む
もちろん私もだ
リンリンリン♪
一斉に起き上がり再度ステージ上の二人に目を向ける
リンリンリン♪
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
最高だ もはやそれしか言葉にならなかった...
広島グリーンアリーナの屋根が熱気で吹き飛ぶんじゃないかと思われた会場内に一瞬の静寂が訪れる
すぅちゃーん!
すず香!
おめでとう!
色々な言葉が飛び交う
その静寂を切り裂くようにゆっくりとピアノの音色が響く
紅月
私はこの日
Sブロックにいたがケチャは全く発生せず
ただただその場にいる者はステージ上のSU-METALの姿をじっと見つめていた
幾千もの夜を超えて
生き続ける愛があるから
この身体が滅びるまで
命が
消えるまで 守りつづけてゆく
泣き声にも聴こえる神バンドのサウンドが一気に会場内の熱気を誘う
うぉぉぉぉぉぉ!!!!
静まり返っていた会場から再び怒号のような歓声が沸き上がる
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
紅月だ!!!!!!
うぉぉぉぉぉぉおおお! すず香!!!!
私の感情はすでに崩壊し泣きながら彼女の名前を叫んでいた
周りからみたら完全に頭のイカれた奴にしか見えないだろう
でも叫ばずにはいられなかった
その後はただじっと彼女の姿を目に焼き付けていた
歌に自分の感情を乗せ体全体で訴えかける姿はなぜあんなに美しいんだろうか...

神バンドのツインギターの見せ場だが私はずっと
SU-METALの姿しか見ていなかった
一歩ずつ階段を登るSU-METALを待ち受けていたのは過去の自分

粋な計らいで着ている衣装も2012年のLEGEND“D”で着ていたものではないか...
まさか5年前のこの演出をセルフオマージュとして生で見れるとは...
ありがとう...KOBAさん...
ドンドンドン ドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドン
こ、このリズムは...
そう GJ!
マジか やるのか GJ...
BABYMETALの持ち歌は25曲
SU-METALやYUI MOAコンビの曲を除いても一公演やるだけの武器は備え付けているのだ
だが、そこは真っ向勝負
例えYUIMETALがいなくても
その魂を宿し私は一人でもステージに立ち続ける
そんな無言なメッセージをMOAMETALから突きつけられた気がした
MOAMETALが一人でステージに立つのは菊地最愛としてのさくら学院時代の歌の考古学以来ではなかろうか
結成7周年になるがBABYMETALのMOAMETALとしてソロでステージに立つのは当然今回が初めてである
不謹慎ながらも普段では絶対に見れない姿に私はワクワクを隠すことはできなかった
小さな体だがあの時ばかりはなぜかでかく見えたのは気のせいだろうか
メイトのみんなも全力でMOAMETALのサポートを
パンパンパン ウォイ!
パンパンパン ウォイ!
パンパンパンパンパンパンパンウォイ!
これらの声援が彼女の力になったかは分からない
貫禄の姿で一人で何千人もの観客を虜にするMOAMETALの姿がそこにはあった
いつにも増してキレッキレの姿を見て私は思った
あれはスーパー最愛ちゃんだ...
SU-METALのソロとはまた違う表現をするMOAMETAL
おそらくSU-METALからも少しながらアドバイスをもらっていただろう
MOAMETALもどちらかと言うと頭で考えるタイプではなくその場のテンションに左右されるタイプだと私は思っている
それはSU-METALにも同じことが言える
あの時のMOAMETALの背中にはYUIMETAL
そしてSU-METALの姿がダブついて見えた
\もっともっとほら!/
\もっともっとほら!/
\もっともっとほら!/
ここでもYUIMETALのパートで叫ぶメイト達
お前ら...最高かよ...
自然と私の目からは涙がこぼれ落ちていた
それは同情からくるものではない
純粋にMOAMETALの新しい姿を見れた喜び
それしかなかった
ちなみに2日目のGJ!でMOAMETALはもっともっとほら!の場面で聞こえないよ!と煽りも入れていたのだから彼女もまた怪物の一人なのである
BABYMETALのライブはまだまだ終わらない
ドクン...ドクン...
心臓のように木霊するサウンド
ギターのリフがフロアを駆け巡る
シ、...シンコペ!!!!
私は叫んだ
そして思った KOBAさん...あなたは鬼だと...
先程一人でGJ!をやり終えたMOAMETALに休息の時間を与えることなくシンコペ?
いくらなんでも厳しいんじゃないか?
そんな気持ちとは裏腹に別の考えを持つ自分もいた
いや、彼女ならやれる 菊地最愛なら絶対にやれると
ギターとドラムの激しいサウンドが人間の五感を刺激するように脳に突き刺さり気分はハイ状態
うぉぉぉぉぉぉ!と私は叫び一心不乱にヘドバンをしていた
もはやYUIMETALがいないだとか
二人で一体どうなっちゃうの?とか
そんな考えは吹き飛びただただステージ上の二人 そして神バンド達のサウンドに酔いしれる自分がいた
たぶんこの日初めて神バンド達に目を向けただろうか
いつもとは違う黒い衣装に身を包む4人の姿を見て更に雄叫びのような歓声を上げてしまった
まわっれ!回れ!
モッシュピットではサークルモッシュが発生
皆笑顔でクルクル回る姿は実に爽快だ
そんなメイト達の姿を見てかはわからないが
SU-METALのギアが一段 また一段と上がっていくのは容易に分かった
まさに天井知らずの歌声にただただ酔いしれるしかなかった...
先程GJ!をやり終えたMOAMETALからも疲労とゆう文字は見えずこちらもエンジン全開
末恐ろしい女子高生だ...
シンコペが終わると会場からは拍手の雨が彼女達に降り注がれた
ドンドンドドン META!
ドンドンドドン META!
休む間もなく再びステージに眩い光が灯される
先程までとは売って変わって満面な笑みのふたりの姿がそこにはあった
M!ウォイ! E!ウォイ!
T!ウォイ!A!ウォイ!
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
メイトの歓声を受けながらステージ中央へ
360℃ 全方位からステージ中央の彼女達に視線と歓声が集まる
YUIMETALのパートで我々にマイクを向けるSU-METAL
そのSU-METALの姿を見て
\ずっとむかし もっとむかし はるかかなた/
大合唱するメイト達
いられない 叫ばずにはいられないのだ
そんなメイト達の姿を見てさぞSU-METAL
そしてMOAMETALも嬉しかったことだろう
そんな日々は ここでサラバイ
さぁ立ち上がろうよ!
うぉおおぉぉぉぉ
うぉおおぉぉぉぉおおお!!
会場から割れんばかりの合唱が沸き起こる
この時ほど一つになれたことはない
いつもは思わないがこの時ばかりはTHE ONEになった瞬間だと思った
かっ飛ばせ~META太朗!!
右に左と敬礼するように腕を振るメイト達
そんな中満面の笑みで歌い踊るSU-METALとMOAMETAL
もう涙なしでは見られなかった...
中盤の合唱の場面では会場全体から6人に対して浴びせられる
うおおおぉぉぉ
うおおおぉぉぉぉぉぉ!
うおおおぉぉぉ
うおおおぉぉぉおおお!
SU-METALは歌おうとせずただただマイクをこちらに向けていた
満面の笑みで
それはMOAMETALも同様
会場の隅々まで見ているかのように360℃満面の笑みで見渡していた
止まらない...
こんなに素晴らしい空間の中にいて涙を堪えることはできない...
ライブはまだまだ中盤なのにもはやテンションは最高潮に達していた
無音の中で轟くメイト達の声
間違いなく6人に沸き上がる力を与えていたことだろう
この日はSU-METALが通っていたアクターズスクール広島の生徒達
小さい頃から応援してくれている地元広島のファンの方々
そしてSU-METALの実の姉である日芽香と家族達
これこそが私の全てを捧げているBABYMETALのファンの人達よ
そうSU-METALが思っていてくれればこの上ない嬉しさだ...
そんな大盛り上がりを見せたMETA太郎が終わると悲しげなピアノの音色に合わせ紙芝居が展開されていく
絶望...
一瞬ドキッとしてしまうスレーズがあり固唾を飲み静かにモニターに目を向ける
NO RAIN, NO RAINBOWの煽り
そして直感的に原爆のことを言っているんじゃないかと私は感じた
紙芝居には黒い雨を匂わすフレーズが読み上げられてゆく
ぽつぽつと落ちる黒い粒
まさしくそれは黒い雨
皆が固唾を飲みじっとモニターを見つめる
中元すず香はさくら学院時代から彼女なりのアプローチの仕方で我々に原爆のことを伝えてきた


自分の地元である ここ広島で
まさかこんなにもダイレクトに原爆のことを伝えてくるとは誰も思っていなかったことだろう
静寂をピアノの悲しい音色が切り裂いてゆく
SU-METALの歌声が心に染みる
こんなにも悲しげに歌うSU-METALはいまだかつて見たことがなく自然と涙が流れ落ちる
バックのピアノ そしてバイオリンが優しくSU-METALのサポートを
それはか弱い少女が背負っている十字架を優しく支えるように
モニターでSU-METALの表情を見ると涙を浮かべている彼女の姿があった
静かに歌い終わると会場からは拍手の雨がSU-METALに送られた
その拍手の雨は止むことを知らずただただ降り注がれていた
それは何分続いたことだろう
機材トラブルなのか
または何か別のトラブルが起こっているのか
またはこれも演出なのか
その真相は分からない
だが分かることはただ一つ
誰一人として拍手をやめる者はいなかった
シットリとした空気をこのアイドルモンスターが一瞬にして変えてしまう
シッシッシシシ シシシシ 44!
ステージ中央にスポットライトが照らされこちらを睨み付けるMOAMETAL
再び会場内を超絶演奏隊である神バンド達のサウンドが轟く
みんな!今日はすぅちゃんの凱旋ライブ!
まだまだ盛り上げるよ!
そんな風に激を飛ばされた気がした
先程まで睨み付けていた表情はいつの間にか満面の笑みに変わっていた
シッシッシシシ シシシシ 44!!
シッシッシシシ シシシシ 44!!
それにしてもMOAMETALの気力 体力 精神力
は計り知れないものがある
YUIMETALが転落したあの日
彼女はボロボロになりながらも
よろけながら必死にステージに立っていた
だが、今回は違う
その姿はSU-METALと同等
いや、SU-METALをも凌ぐ迫力さえ感じさせる

かと思えばSU-METALでは表現できない可愛さもあり我々を笑顔に変えてしまう
相方を失ったMOAMETALは自分の腰に手をやっていたがあの時
心の中で彼女はYUIMETALと一緒に肩を組んでいたことだろう
ピットではそんな彼女の姿を見ながら肩を組み大の大人達が よんよよよよん♪と歌う姿が
こんな光景はBABYMETALでしか見ることはできないだろう
私も気づいたら周りのメイト達と肩を組みよんよんよよよよん♪と歌っていた
そんな幸せな空間はあっという間に終わってしまう
ライブもいよいよ終盤戦
BABYMETALの代名詞とも言えるあの曲の出番がやってきた
き~つ~ね き~つ~ね
和のリズムに乗りながら着物に身を包んだ二人の少女の姿が
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
紅に染まる広島グリーンアリーナに轟くメイト達の怒号にも似たような唸り声
目を凝らしてよく見ると金色の模様が記されているように見える
最後の黄金世代である10代に別れを告げるようにゆっくりと着物を脱ぎ捨てるSU-METAL
キツネの第三の目から放たれる無数のレーザー
BABYMETALのライブは幾度となく参戦しているがここまで凝った演出は今回が初めてであり興奮を抑えることはできなかった
それ!それ!それ!それそれそれそれ!
ステージ上の二人に合わせ右に左に跳び跳ねるメイト達
もし場外参戦組がいたら地響きを感じていたことだろう
あ〜 そうよ いつでも 女は女優よ

SU-METALの歌声の中モッシュピットではモッシュが展開され入り乱れのカオス状態
お祭り騒ぎとはまさにこのことだ
もはやこの場を制御することは不可能な状態
黄金に輝くキツネ面を持ちながらMOAMETALと向き合うSU-METAL
果たして今回はどんな変顔対決をするのか注目が集まる
この場面は私も見逃さなかった
じっと見ているとMOAMETALがコクコクと首を上下に動かしているのが見えた
一体SU-METALとどんなやり取りをしたんだろうか
恐らくSU-METALはこう言ったんじゃないか
最愛 大丈夫?
大丈夫だよ!
そんなやり取りをしているように私には見えた
SU-METALが英語で語りかける
Hey!HIROSHIMA Green Arena!!
その姿はもはや海外クラス
この貫禄の姿にアクターズスクール広島の在校生はこう思ったことだろう
私達の先輩カッコよすぎ!
アクターズスクール広島から応援していたファンはこう思ったことだろう
すず香 でかくなったな!
色々な想いが渦巻くここ広島グリーンアリーナ
その中でSU-METALは叫ぶ
Are you ready?
うおおおぉぉぉぉぉ!!!!
Are you ready!!!!
うおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!
one! two! one! two! three! jump!!
それ!それ!それ!それそれそれそれ!!
ピット内は狂喜乱舞のカオス状態
辺り一辺繰り広げられるモッシュの嵐
そんなピットやスタンドに対しSU-METALは叫ぶ
One!! more!!
どこまでドSなんだ...
この盛り上がりを見せてもまだ満足しないとは...
うおおおぉぉぉぉぉ!!
あ〜 そうよ いつでも女は女優よ
キツネじゃない キツネじゃない
乙女は...
なめたらいかんぜよ
...........
もうこの時の記憶はない
それほどまでに暴れまわって覚えていないのだ
ただ記憶があるのは全身から流れる大量の汗
そして膝に手を付き呼吸を整えていたこと
それほどまでにこのメギツネで体力を消耗してしまった...
青い照明に包まれる広島グリーンアリーナ
少林寺を連想させる型をとる
SU-METALとMOAMETAL
KARATE
再び会場内は紅に染まり熱を帯びてゆく
右に左と首を振りながら正拳突きをかますSU-METALとMOAMETAL
私もそんな二人を見ながら正拳突きをかましていた
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
ウォイ!ウォイ!ウォイ!ウォイ!
ピットから放たれる怒号
その怒号の中MOAMETALの声が響き渡る
セイヤ!セ、セ、セ、セイヤ!
セイヤ!セ、セ、セ、セイヤ!
前に出過ぎず
かと言ってSU-METALの影に隠れるわけでもなく自分の存在感を遺憾なく発揮するMOAMETAL
その背中を見つめながら歌うSU-METAL
恐らく今後のBABYMETALのライブの中でこの姿を見れるのは今日と明日だけだろう
まさにLEGEND-S
涙が止まらない...
中盤の傷つき倒れる場面を真似し私もピット内で倒れ混む
すると一人の男性の声が
『大丈夫ですか?大丈夫ですか?ちょっと 大丈夫ですか?』
私はその言葉に反応することなくただ倒れ混んだ
気持ちはSU-METAL MOAMETAL
そしてYUIMETALと一緒だ
男性がそんな私を見て痺れを切らしたのだろう
腕を引っ張り起こそうとしてくれている
私は男性に持たれながらゆっくりと起き上がりステージ上の二人と同じように肩を組涙を流しながら拳を高らかと掲げた

だってさ...こんな姿見たら涙を堪えるなんて無理ですよ...
KARATEが終り先程起こしてくれた男性に私はお礼を言った
『さっきは起こしてくれてありがとうございます!
あれ 二人を真似してたんですよ!』
「あっそうなんですか笑 全く分からなかったです笑」
このようなやり取りも非常に楽しいし思い出に残る
そう思いながら私は次の曲に備えた
会場内に轟く法螺貝の音色
Road of Resistance
ピット内では本日2回目のウォール・オブ・デスの準備が
ウォール・オブ・デスいくぞ!!
しゃーーー!
広がれ!広がれ!
でっかいのいくぞ!でっかいの!
由結ちゃんの分までいくぞ!
由結ちゃんの分までいこうぜ!
モッシュピットは興奮の渦に包まれ異様な空気を漂わせる
輪はあっという間にでかくなりモッシュピットから発せられるこの合い言葉
Wall of Death!
Wall of Death!
Wall of Death!
Wall of Death!
もはや定番と化したWall of Deathコール
準備は整った
ゆったりとしたギターのサウンドの中
BABYMETALのフラッグを肩にかけ現れたSU-METALとMOAMETAL
よく見ると三ヶ所にスポットライトが浴びせられている
SU-METAL MOAMETAL
まさか...そう...
ステージ右手 YUIMETALの所にもスポットライトが....
由結ちゃーーーーん!!
叫ばずにはいられなかった...
ギターのサウンドに合わせ会場の至るところから発せられる歓喜の声
誇らしげにBABYMETALの文字を見せつけるSU-METALとMOAMETAL
モッシュピット内は殺気で溢れていた
オラーー!!いくぞ!オラーー!
しゃーーー!!
ぶちかますぞ!!!!
私も由結ちゃんの分まで!
由結ちゃんま分までいくぞ!!
と言いながら輪の中をウロウロしていた
轟く法螺貝の音色
ピット内に一瞬の緊張が走る...
1!2!3!4!
一斉に輪の中に身を投じていくメイト達
本日最後となるであろうモッシュを全力で楽しむメイト達
モッシュが終わるとサークルモッシュに切り替わり今度はライジングサンを描くようにグルグル回る姿を見てステージ上のSU-METALもさぞ気分をよくしていたことだろう
ステージをバシバシ当てるスポットライト
照明も紅に染まりステージ上の6人を際立たせる
神バンドのサウンドに乗せて激しく燃え上がる火柱の嵐
全てが素晴らしいとしか言えない
うおおぉぉ うおおぉぉ うおおぉぉおおぉぉぉぉ
うおおぉぉ うおおぉぉ うおおぉぉおおぉぉぉぉ
会場が一体になる時がきた
Sing it!!
マイクをこちらに向けておねだりするSU-METAL
うおおぉぉ うおおぉぉ うおおぉぉおおぉぉぉぉ
うおおぉぉ うおおぉぉ うおおぉぉおおぉぉぉぉ
会場の至るところから沸き起こる大合唱
MOAMETALも力強く拳を挙げながら我々を後押ししてくれる

SU-METALは両手を広げもっとみんなの声を聞かせてよ!と言わんばかりに我々にマイクを向ける
モッシュピットではBABYMETALのタオルを掲げる者
リフトをしながら高らかとフラッグやタオルを掲げる者
涙を流しながらうおおぉぉと叫ぶ者
この日
この空間でBABYMETALのライブを見れて本当に自分は幸福者だと思った
燃える 鋼鉄魂
僕らの Resistance
膝を突き拳を高らかと掲げるMOAMETAL
堂々と歌い上げたSU-METAL
その姿に会場から溢れんばかりの拍手喝采が送られる
全身から垂れ流れる汗は止まることをしらずひたすら流れ続け膝に手をついて顔を上げるのも辛い状況
伝説の黒髪を華麗に乱し
ウォイ!ウォイ!
15の夜から二十歳の夜へ...
ヘドバンギャー
ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!
と木霊する声は当然MOAMETALの声のみ
思い出した方も多いんではないだろうか
あの日の夜を
2014年 3/1 日本武道館
YUIMETAL転落事件
あの時のMOAMETALの姿は満身創痍な姿だった...
私は映像でしか観てないがそれでも痛々しい姿を見るのには勇気がいる
あの時会場にいた人からしたらまともに見れなかった方もいるんではないだろうか
でもこの日のMOAMETALからは並々ならぬ気迫や覚悟しか感じられない
あの日
目を背けた人も今のMOAMETALの姿には安心感しかないだろう
我々を煽りながらムービングステージに乗り移動するSU-METALとMOAMETAL
ライブの終盤になっても疲れを見せない二人を目の当たりにして黙っていられない
15の夜を忘れはしない
私もすでにヘロヘロ状態だが、両手を広げジャンプしウォイ!ウォイ!と叫び続けた
マイクを高らかと上げ我に従えと言わんばかりの姿のSU-METAL
MOAMETALはSU-METALに対し忠誠心を示すかのように土下バンをしながら称え上げる
モッシュピットでもSU-METALに忠誠心を示すように土下バンが繰り広げられる
ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!
ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!
ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!
ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!ヘドバン!
な、長い....
東京ドームのヘドバンも長かったが今回のヘドバンも長すぎる...
不覚にも私はこう思ってしまった...
つ、辛い...
それほどまでに長かったのだ
まだまだまだまだ
ギターの激しいサウンドが飛び交う広島グリーンアリーナ
両手を上げ首を振り地面に頭を擦り付けながらヘドバンを行うSU-METALとMOAMETAL
起き上がりSU-METALはこう言った
二十歳の夜を
忘れはしない♪
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
うおおぉぉぉぉおおお!!!!!
会場からは歓喜の雄叫びが響き渡る
一体誰がこのサプライズを予想しただろうか
SU-METALからのサプライズに叫ばずにはいられない
15の夜から二十歳の夜へ
SU-METALが一つ大人の階段を登った瞬間を私は目にし涙を堪えることはできなかった
おめでとう!!
おめでとう!!すず香!!
叫んだ
ひたすら叫んだ
おめでとう!と叫び続けた
伝説の黒髪を華麗に乱し
狂い咲くこの華は はかなく消える
もう二度と戻れない わずかな時を
思い出に刻むんだ 15の夜を
ひらり 宙に舞う
後にも先にもこれほどまでのヘドバンギャーはないだろう
SU-METALが伝説の黒髪を華麗に乱しながら自分の胸に今日のライブを思い出に刻んだ二十歳の夜
BABYMETALの歴史の中にまた新たなる伝説の1ページを刻んだ瞬間だった
最後ヘドバン!ヘドバン!とSU-METALとMOAMETALが向かい合う所があるが恐らくこんなやり取りをしていたことだろう
おめでとう!すぅちゃん!
ありがとう!最愛!
私にはそんな風に見えた
床に倒れ混むと会場からはこの日何度目になるか分からない拍手が送られた
会場は再び漆黒の闇に包まれる
モニターには紙芝居が映しされる
申し訳ないが紙芝居の内容は思い出せない
期待されていた方がいたら申し訳ない...
紙芝居が終わると会場内に広がる
神バンドの激しいサウンドと共に会場に響き渡るメイト達の叫び声
BABYMETAL DEATH
BABYMETAL DEATH
BABYMETAL DEATH
BABYMETAL DEATH
不敵な表情で腕をクロスした状態で立ち尽くすSU-METALとMOAMETAL
爆発音と共にモッシュピットではこの日何度目になるか分からないモッシュが起こっていた
それにしてもいつにも増して尖ったサウンドを奏でる大村神と藤岡神
それが妙に心地よいのは気のせいだろうか
青山神のドラムも最高に重音すぎる
明日は偉大な青山純の命日
父も息子に力を与えていたんではないだろうか
B!A!B!Y!M!E!T!A!L!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
SU-METAL DEATH!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
YUIMETAL DEATH!
????
今のは録音かな?確かにYUIMETAL DEATH!
って言っていたよな?
と思いながらYUIMETAL DEATH!と私は叫んでいた
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
MOAMETAL DEATH!
今日初見の人がこの光景を目の当たりにしたらなんて思うだろうか
怪しいマスクを着用し、怪しいケープにペンダント
会場内で発せられる DEATH!DEATH!DEATH!
完全に怪しい宗教団体にしか見えないだろう
でもこれこそがBABYMETALのライブ
これこそがBABYMETALの世界観なのだ
この光景を目にし同士となるかならないか
それは...あなた次第
指を指しながらゆっくりと階段を降りるMOAMETAL
B!A!B!Y!M!E!T!A!L!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
SU-METAL DEATH!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
YUIMETAL DEATH!
???
やっぱりYUIMETAL DEATH!って言っているよな...
ちょっとして二人が由結ちゃんのパートを言っているのか?
1日目のこの時
録音なのか
それともSU-METALとMOAMETALがYUIMETAL DEATH!
と言っていたのは見ていないのでなんとも言えない
ただ、2日目に関しては間違いなくSU-METALはYUIMETALと言っていた
これだけは自信を持って言える
なぜならマイクを持ち言っていたからだ
信じるか信じないかは...あなた次第
階段には炎が灯されステージ上のSU-METALは床に倒れ混み怪しいサウンドが会場内を駆け巡る
我々と同じケープに身を包んだ怪しいマスクメン達はSU-METALの手をとり張り付け台へと移動する
今回も過去の自分達への挑戦
LEGEND“1997” SU-METAL聖誕祭のセルフオマージュだ

DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
SU-METALを奉るかのように
SU-METALを復活させるかのように炎は燃え上がる
MOAMETALはSU-METALを復活させるために激しい炎に包まれながらも土下バンをひたすら続ける
それはモッシュピットも同じだ
私も必死になって土下バンをした
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
MOAMETALが狂ったように頭を抱えながら悶え苦しむ
ギャーーーー!!!!
張り付けにされたSU-METALが叫び復活した次の瞬間
炎は激しく燃え上がりその中を縦横無尽に走るMOAMETALの姿が
とてもじゃないが真似できない
あの炎の中を走り回るなんて信じられない
恐らく神バンド達でさえ弱音を言ってしまうほどの熱さではないだろうか
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!
MOAMETALは悶えながら階段を登ろうとするが途中で力尽き場内も漆黒の闇へ包まれてしまった
それにしてもとんでもない演出だ
もう狂っているとしか言えない
もはやライブの域を越えている
日本のグループでこれだけイカれたことをするグループは存在するのだろうか?
BABYMETALの真髄をこれでもかと見せられてしまった...
すぅ様!
すず香!
すぅちゃん!
それらの声を制止するかのように静かにピアノの音色に乗りながら紙芝居が展開されてゆく
悲しいピアノの音色が次第に明るさを増してゆく
それは絶望の中で見つけた希望の光のように明るさを増してゆく
メイト達もそんな音色を聞き固唾を飲みながらモニターを見つめる
御幸の光を身にまとう女性の姿が
恐らくSU-METALを表現しているんだろう
1945年 8月6日
核攻撃で光を失った広島
その52年後
中元すず香とゆう少女がここ広島で産声をあげた
彼女は『歌』とゆう希望の光を背負いながら幾多の場で人々に勇気と希望を与えてきた
その希望の光がマスクの光となり会場を明るく
そして優しく照らしてゆく
おおぉぉぉ!!
マスクが光ると会場から驚きの声が
驚きの声が上がるも静寂を保とうとする広島グリーンアリーナ
ただじっと待った
ここ広島グリーンアリーナで少女の殻を脱ぎ捨て大人の階段を登ろうとするSU-METALの姿を...
後方のステージに光が灯される
希望の光を身にまとったSU-METALの姿がそこにはあった
ゆっくり
ゆっくりと歩くSU-METALを目の当たりにし私は叫んだ
すぅちゃん!おめでとう!
THE ONE - Unfinished ver. -
No reason why
I can't understand it
Open your mind
We can understand it
Please let me know
If you know this is the end of the world
Let me know
If you know the truth
優しく語りかけるように歌うSU-METALの姿を見て涙が止まらなかった...
これほどまでに彼女の歌声が心に染みたことはない...
星空のように優しく光るマスクの光
間違いなく新たなる伝説の1ページだ
会場が一瞬暗くなり光が灯されると同時にアップテンポに変わるTHE ONE
私の目に飛び込んできたのはSU-METALと同じ衣装に身を包むMOAMETALの姿が...
私は泣き崩れた...
まさか...まさかここでMOAMETALが登場するなんて...
SU-METALの元にゆっくりと歩み寄るMOAMETAL
SU-METALも今日共に闘い抜いたMOAMETALを優しく迎える姿にまたしても涙が...
SU-METALとMOAMETALが背中合わせにステージ中央に立つ姿は実に堂々としていた
MOAMETALを背にし力強くTHE ONEを歌うSU-METAL
MOAMETALもそんな彼女を優しく力強く支える
LaLaLaLa...
LaLaLaLaLaLaLa....
会場が一つになる時
THE ONEになる時がきた
Sing it!!!
LaLaLaLa!!!!
LaLaLaLaLaLaLa!!!!
LaLaLaLa!!!!
LaLaLaLaLaLaLa!!!!
LaLaLaLa!!!!
LaLaLaLaLaLaLa!!!!
LaLaLaLa!!!!
LaLaLaLaLaLaLa!!!!
LaLaLaLa!!!!
LaLaLaLaLaLaLa!!!!
メイト達の祝福の声の中ゆっくりと階段を登るSU-METALとMOAMETAL
その時だ!
私は見逃しはしなかった
階段に登る前にチラチラっと無邪気にモニターに目をやるSU-METAL
たぶん観客の反応を見てみたかったんだろう
だが映ったのは普段見慣れない冠を被った自分の姿が
自分の姿を見て必死に笑いを堪えるSU-METALの姿はすぅちゃんだった!
この状況の中でも無邪気な心を持つすぅちゃんがたまらなく愛おしく感じた
特効と共に姿を消したチームBABYMETAL
そんな彼女達に今宵最後の拍手の雨が注がれた
モニターにはこの言葉が記されていた
''新たなる伝説が、ここから始まる''
SU-METAL
止まらなかった...
私の涙は止まることがなかった...
気づけば見知らぬメイトの方の肩に腕を組み号泣していた...
幾多のBABYMETALのライブを見てきたがここまで感動を受けたライブはない
最初で最後のSU MOAコンビでのワンマンライブ
しかもSU-METALの凱旋&二十歳を祝うバースディライブ
今まで3人で1つ
BABYMETALは3人いないと絶対に成り立たないと言われ続けてきた
だがその常識は見事なまでに今日ぶち壊された
今日のライブでどれだけの可能性を我々に見せてくれたことだろうか
BABYMETALは如何なる状況でも最高のパフォーマンス そして感動を我々に与えてくれるのだ
このSU-METALの言葉を思い出してほしい

そう彼女の言葉通り東京ドームは通過点になってしまった
あの日のライブも素晴らしかったがそれ以上のものを今日彼女達は見せてくれた
恐らく今日の広島グリーンアリーナのライブも数年後
通過点になっているかもしれない
常に走り続けるチームBABYMETAL
SU-METALが最後
我々に示したように伝説はここから始まってゆく
一体今後のBABYMETALはどうなってゆくのか
ワクワクが止まらない...
絶対に最後まで見届けよう
私は涙を流しながら心に誓った...
まだまだ伝説は続くがこの日
この場所でBABYMETALのライブを観れたことは一生の自慢話になりそうです
ありがとう
ありがとう...
BABYMETAL...
おめでとう!
すぅちゃん!
そして由結ちゃん!
早くまた元気な姿を見せてください!
LEGEND - S - 洗礼の儀 -THE ONE限定
セットリスト
01 イジメ、ダメ、ゼッタイ
02 ギミチョコ !!
03 ド・キ・ド・キ☆モーニング
04 紅月-アカツキ-
05 GJ!
06 シンコペーション
07 META!メタ太郎
08 NO RAIN, NO RAINBOW
09 4の歌
10 メギツネ
11 KARATE
12 Road of Resistance
13 ヘドバンギャー!!
14 BABYMETAL DEATH
15 THE ONE Unfinished ver.
神バンドメンバー
G 大村孝佳
G 藤岡幹大
B BOH
Dr 青山英樹